TOEIスポルティーフを納車いたしました。
TOEIというのは埼玉の川口市にある老舗のフレームビルダーさの東叡社さんのブランド名で トラディショナルな旅行車を得意にされています。
スポルティーフというのも聞きなじみのない言葉かもしれませんが、フランスタイプのツーリング車の名前で、細身のタイヤを履いた快走タイプのツーリング車の事を表します。
今回、オーナーさんからの御注文は 若い頃からあこがれていた80年代のフランスやイタリアのパーツを組み込んだ自転車です。当時は何とも思っていませんでしたが、今時点で組むと規格などがきっちりしてなかったり、部品精度もいまいちな点があったりと、フレームや部品にも手を加えつつ組んでいく必要がありました。

 
ライトやキャリア泥除けなど構成物が多い自転車をいかにまとめてシンプルに見せるかがこういった自転車の難しい所だと思います。

チェーンリングはTAシクロツーリストというパーツが6本のアームなのですが、それを5本にしてオーダーで作ってもらいましたこだわりの品です。
 
フロントキャリアに取り付けされたライト コードはキャリアの中からフレームの中を通って後輪の横についている発電機まで隠されて配線されています。シートチューブの後ろに付いているテールランプもTOEIさんオリジナル この配線もフレームの中を通っています。ちなみにフロントキャリアもフレームに合わせて作られます。サイズや形を指定して作ってもらっています。

ブレーキはセンタープルっていう形式のブレーキです。取り付け台座がフレームにロウ付けされています。この台座位置がすごく重要で、制動力にかかわってくることはもちろん、見た目もシンプルで美しくなっています。

後の変速機は ユレー社のジュビリーっていう変速機です。このユレー社が倒産するのですが、後にドイツのザックス社に買い取られ、その後今のスラム社に買い取られて言っています。ユレー社の変速機にライバルっていう名前の物があったんですが、それがスラムさんにも生き残っていますね。私的には感慨深いです。後輪は126mmのエンド幅でフレームを作ってもらっています。そこに120mmのエンド幅用のスプロケットを組み合わせて、フレームに対するハブ本体の位置を調整、おちょこと呼ばれる左右のスポークのテンション差を少なくするように組んであります。

たまたまあった当店のTOEIと撮影。奥の方は35年前に組みあがったTOEIでした。

今回制作を承りましたTOEIは非常に凝った仕様でしたので、フレーム単体での価格が30万円を超えていますが、実はTOEIって今の日本のフレームビルダーさんの中では一番リーズナブルなのではないかと。こちらを見て頂ければわかりますが、スタンダードフレームだと20万円しません。このお値段で塗装も入っています。細かいフレームの仕様は選べませんが、フレームの一番重要な寸法はすべて指示することが可能なんです。見て頂いたらわかる通りロードレーサーもオーダー可能です。作っている人が判っていて、フレームの寸法もオーダーできて(もちろん、寸法が良くわからない方には、体のサイズを測ったり、今乗っておられる自転車があればその自転車の良し悪しを聞いたりして寸法を決めさせて頂きます。身長150cm前後の方ですと一回り小さい車輪でのオーダーも可能です。)色も自由に選べる。(色の基本は1色パールやメタリック多色塗りなどは都度お見積り。)良い事ばかりです。
まあ、良い事ばかりというのは噓ですね。スチールフレームなのでどうしても重いです。通常のフレームですと約2000g前後ぐらい。フォークが1000gぐらいですからカーボンフレームの1000g前後でカーボンフォークが500g未満ぐらいから考えると1500gぐらい増えてしまいます。ただこの差は、レースに出るなら問題ですが、走っていてあまり感じないです。というか、走りにはホイールの良し悪しの方が影響大きいです。

こういう自転車の選択肢も一つとして面白いのではないかと思います。自分だけの自転車が作れますし。今現在当店で扱いの在るスチールフレームは、メーカーさんだと チネリ リッチー ソーマ ジオス ワンバイエスなど。フレームを作ってくれるビルダーさんだと イタリアのビクシス 国内だと 今回紹介いたしましたTOEI  大阪は堺のCorner 愛媛県のHikoなどが有ります。春にはもう1社加わる予定です。
TOEI とCornerは完成車やフレームを見て頂くこともできます。店にいらして下さったら、オーダーの話をいろいろする事も可能です。宜しければご来店ください。