柳サイクルさんのQuietDiskが届いて約1か月。自分用に組んだ自転車だけでも30台は組んだはずですが、その中で一番良い自転車かも知れません。あくまで私比ですが。
ちょっと冷静になってインプレッションでも。
柳サイクル QuietDisk
今回、柳サイクルさんのフレームを取り扱うにあたり、デモ機の製作をする事にしました。デモ機なので、店主が乗って判断しなければお客様にお勧めすることが出来ませんのでQuietというツーリング車を店主用にオーダーすることにしました。
なぜQuietかというと、700×30Cのタイヤを履いた舗装路主体のツーリング車というコンセプトが、ちょうど今欲しかった自転車だったからなんです。
ちなみに柳サイクルさんは、kazusaとかQuietの様にスタンダード的なモデルも有りますが、カスタムオーダーも得意なビルダーさんです。ピスト ロードはもちろんMTBまで幅広く製作されています。
で、今回の注文は、基本スタンダード。指定したのは フレームサイズ シート角 トップチューブ長 ヘッドチューブ長 のみです。色も指定しました。
納期は3か月 出来上がってきた自転車に乗った感想は。
- アンバランスの中のバランス
アンバランスの中のバランスって言われても訳わかんないですよね。でも、走ってて浮かび上がってきた言葉がこのアンバランスの中のバランスなんです。
このフレーム ヘッドチューブはオーバーサイズで、オーバーサイズのカーボンフォーク。前三角はノーマルサイズのチューブ で後ろ三角も太めの丈夫なチューブのセットと前後が固く中が柔らかい組み合わせ。
今まで前三角がノーマルのチューブだとペダリングの際によじれてしまって力が逃げる感じだったのが、これはあまり逃げない。前三角がたわんでいる感じはあるが、チェーンステイが丈夫で左右に揺れない感じ。
フレーム体としてはアンバランスだが、走るとバランスがとれている。今まで乗ったフレームとは違うぞ!って語りかけてくる。
- 標準ってなに?標準から外すからでてくるものもある。
今回のオーダー ビルダーである飯泉さんに連絡したのは、フレームサイズ シート角 トップチューブ長 ヘッドチューブ長 のみ 後はおまかせ。
でBB下がり75mm BB下がりっていうのは前後輪の中心線から、ボトムブラケットっていうクランクが付いた軸の位置がどれだけ下がっているかという数値なのですが、通常70mmまで多くて73mm ところがこの自転車は75mm この数値が下がると自転車は安定するけどコーナーでペダルが地面に当たりやすくなるなど悪影響も出るのです。なんで、普通はここまでBBを下げない。700Cで50Cとかを履く設計であればタイヤ直径が大きくなるので、75mmというのもありなのですが、この自転車の仕様ホイールは700×30C 私のクランク長は175mmなので、メーカーさんならやらない値です。
で、このQuiet ツーリング自転車です。ツーリング車として考えるとメーカーさんはやらなくても(しつこい)メリットがでてくる。先ずは安定性が良くなる。安定してまっすぐ走る感じ。で、上りでクランクが踏めるようになってくる。しっかり力がかかる感じですね。上りが楽。但し悪い点も ダンシングできない。なんかダンシングしようとしてもフレームが拒否してくる感じ。できない訳ではありませんが、メリットが無いですね。もちろんシッティングのままでも急激な加速とかは全然です。
逆に言うと、今まで乗ってきた自転車は大きく外れないけど、ここまで尖った性格にはならなかったのでしょう。
- 芯がはっきりしていて、しっとりとした乗り心地。
ここから先は、確証があっての事ではありません。でも乗って思ったのは芯が出ている。体のセンターに自転車がある感じ。まっすぐ進みます。(今まで乗ったたくさんの自転車の中で一番真ん中に乗っている気がします。)そして乗り心地 しっとりっていう言い方がいちばんしっくりきます。ちょうど良いかげんで衝撃などを収めてくれる感じで、衝撃を収める際の動きが雑でなくスムースっていう感じです。すっていう感じで衝撃が収まります。
下りは スピードの乗った速い大きなコーナーはちょっと苦手な感じですが、路面が荒れた場所で細かいコーナーの連続とかは、思った通りのラインをトレースできます。これもハンドルが落ち着いている感じですっと曲がっていきます。
ちなみにほとんどの部品は前乗っていた自転車から部品を移しています。ブレーキがワイヤー引きディスクから油圧ディスクにかわったぐらい。ホイールもタイヤも同じもの。サドルやハンドル位置はポジション設定治具を使って合わせて有ります。
なので、違いは純粋にフレームの違いだと思って頂いて良いと思います。
まとめると、柳サイクルさんのフレームはとっても良いですね。自信をもってお客様にお勧めできると思います。乗ってみて頂けると、今まで素材がとか、重さがとか言っていた事があまり意味をなさない事を理解して頂けるのではないかと思います。(ロードレースの勝負用はカーボンで エアロで 軽量で で異議はありませんが。あと、鉄は重さが!って思ってしまう方、今回製作のデモ機のQuiet ペダル無しで8.7kgです。軽いとは言いませんが、カーボンフレームとの差額を部品代につぎ込んだら同じくらいの重さになるかもですね。)
ほしい自転車の像がはっきりしている方ほど良い自転車が出来上がってくると思います。当店でオーダーを出して頂けるのであれば時間がかかっても構いませんので、欲しい自転車像を語っていただけましたらと思います。それをビルダーさんである飯泉さんにしっかりと繋いで良い自転車を作れるようにいたします。
ちなみに今回のQuietDisk 価格:265,500円(税込¥291,500)
※フレーム・フォークセット、単色ソリッドカラー塗装込みの価格になります。 納期約3か月 仕様変更は別途お見積りいたします。
御注文お待ちしております。