御注文頂きました自転車が組みあがるまでの工程を紹介いたします。こんな感じで組立してお渡ししております。

御注文頂いた自転車は、店に段ボール箱に入って届きます。七分組と言われますが、箱から出すと7割ぐらい組んだ状態で自転車が出てきます。
箱から出して、梱包をといた状態の写真です。

ハンドル サドル 前輪は付いていない状態ですが、ハンドルに前ブレーキ以外のワイヤーは取り付けられています。ここから、普通に組むと早い人で30分ぐらいで乗れる状態になります。

で、当店はどうするかというと。

先ずはヘッド小物。

フレームにフロントフォークが付いている部分のベアリングです。これはまだマシな方で、グリスが付いていますね。ここのベアリング、あまり分解されない部分の割に、水が溜まって錆びたりが多いので、しっかりグリスを足します。

こんな感じですね。上下ともに、水で流されにくいグリースを足しておきます。

続いて車輪を外します。タイヤとチューブも外して振れ取り台という工具にセットします。

この台に車輪をセットして、ちゃんと組まれているか確認、調整します。実は、このホイール、案外ひどい状態の物があります。今回の物は、かなりましな方でしたが、センターずれがあります。

車輪の輪の部分(リムと言います。)と軸の部分(ハブと言います。)が車輪の中心にあるかどうか調べる工具を車輪にセットしてセンターを確認します。赤い輪っかの部分の隙間ができるとずれているという事なのです。この車輪のセンターがずれていると、前後の車輪が一直線に並びませんから進まない自転車になってしまいます。これを、スポークのテンションを調整してセンターを出してから、タイヤをはめます。これを前後輪修正します。

次はフレームです。先ずは後ろの変速機の取り付け部分がちゃんとついているかの確認です。

後ろの変速機を外して工具を取り付けします。工具の先についている棒が、下の位置では、リムと隙間なく引っ付いています。この工具を回して上側に持って行くとリムとの間が5mmぐらい空きました。この上下の隙間がなくなる様に修正します。もちろん上下だけでなく、360°同じようになる様にします。これで変速機を取り付けると、車輪のスプロケット(ギヤがたくさんついた部分)と変速機のプーリー(変速機のチェーンがかかるところ)が一直線に結ばれるようになります。

その次にボトムブラケットという部分(前のギヤが付いている部分の軸)をばらします。

ボトムブラケットという軸を取り外して、工具を取り付け切削 端面の塗装が無くなったのが判りますでしょうか。ここの部分は溶接の熱が一番かかるところで、一番ひずみが出ている部分なんです。塗装が落ちた端面も全周が同じように削られていないのが判ると思います。全部塗装を落としてしまうと、このねじ部分が短くなってしまいますので、取り付けるボトムブラケットの部品のつばがきっちり端面に当たる最低限削っています。

ここまで、車輪や、フレームの修正などでしたが、工場で組まれた状態というのは、こんな感じです。
続いて、いよいよ組み立てていきます。
前の変速機の取り付けを確認します。

赤いシールが貼ってあって、赤い部分が上下に分かれています。間の透明な部分にギヤ板の刃先が通る様に変速機を取り付けするのですが、最初の状態は変速機の位置が高すぎですね。
これを低くして、変速機の羽がギヤ板と平行になる様に調整します。

ブレーキと変速のワイヤーを取り付けします。工場で組んであるのですが、一度抜いて、内側のワイヤーに曲がりとかが無いか確認してワイヤー用のシリコングリースを塗布して組みなおします。アウターワイヤー(外側の筒)の長さも適切か確認して良ければ組んでいきます。ワイヤーに曲がりがあったり、アウターの長さが短かったりした場合、新しい物と交換します。

最後にブレーキの調整、変速機の調整をして完成となります。

実際には、これに体に合わせた自転車のサイズ調整が入ります。

当店の基本の組み方のご紹介でした。良い状態で、長く乗って頂けるように手を入れて組ましていただいております。
良き相棒として長くかわいがっていただけましたらと思います。