古くから自転車に乗られている方にとっては、TOEI社でフレームを作ってもらうというのは一種のステータスだったんですが。(個人的には今でもそう思っています。)価格だけで行くと、周りのカーボンフレームやら突拍子もないようなお値段の物がたくさんありますので、逆にお買い得というイメージさえ持ってしまうTOEIです。相対的にお安く感じてしまうTOEIですが、つくりは一級品です。特にフォークの曲がりのきれいさには惚れ惚れします。TOEI社ホームページ
650×32Bのランドナーです。オーナー様は昔乗っておられた方ではなく、最近になってロードバイクから自転車を始められ宿泊ツーリング用にしっかりとした泥除けとフロントバッグ、サドルバッグがきっちりつく自転車という事でオーダーを頂きました。あと、昔のツーリング車の雰囲気で、しかし性能は現在の水準の物という事でした。
当店としても、昔乗っていた方ならいざ知らず、最近乗り始めた方に昔のレベルのブレーキや変速性能は大変だと思いましたので、基本的に現行パーツでのアッセンブルとさせて頂きました。ホイールは650B 700Cで32Cぐらいのタイヤというご要望も頂いていたのですが、700×32Cとなりますとタイヤ外形が大きくなるうえに泥除けのクリアランスが必要となりますので、サイズ的に苦しく、650×32Bに変更をお願い致しました。幸いにもグランボアさんがツーリングパーツを開発販売されていますので、リム、タイヤ、ハブはグランボアです。特にタイヤのシプレは非常に薄いケーシングの採用でしなやかで軽いタイヤです。
駆動系は、カンパニョロのアテナ11速 TAシクロツーリストクランクに11速対応のサンエクシード46×30Tの組み合わせです。インナーからアウターへの変速は現行シマノさんに比べますと劣りますが、ツーリング用途ではあまり関係ないかと。ブレーキ本体は グランボアさんのシュエットです。見た目はクラシカルでもトーイン調整も効きシューは現在のカートリッジシューですから制動力に問題はありません。
サドルは革サドルが欲しいとのご要望で、復刻のイデアル90です。サドルに対しての評価は難しいのですが、90年代のイデアルが無くなる前の物より断然良い革が使われているように感じました。
あと、バッグ類もオーダーで作らせて頂きました。RSAサンバッグスさんにフロントバッグとサドルバッグを作って頂きました。フロントバッグ高さはハンドル上端と合わせて、フロントバッグサポーターも同時に作って頂きました。
フレームの塗装色について。良くある色見本や、印刷物を渡して塗ってもらったら 思っていた色と全然違うって言うのはオーダーのあるあるなんですが、当店では、提携の塗装工場で、空き缶にオーナー立会いのもと色を塗ってもらって、(色の調合もして頂けます。メタリックを入れたりとかできます。空き缶に塗るのは自転車のパイプが丸なので、丸いものに塗らないと感じが変わるからです。)その缶をフレーム屋さんに送って塗装して頂きます。100%同じ色とは言えませんが、色の再現度はかなり高いです。今回の様な水色は、思っていた色と違うパターンの代表みたいな色ですが、オーナーさんの思っていた通りの色に仕上がりました。
納期について 今回フレームは3か月かからないぐらいで上がってきました。何年か前の1年とかかかるのは無くなったようです。逆に速すぎて驚きました。
オーダーについて。オーナーさんが乗り方や雰囲気など明確な思いを持って頂いておりましたら、当方としてもイメージをつかみやすく良い自転車ができると思います。予算に関しましても、ある程度は合わせて組んでいくことが出来ると思います。時間をかけてのご相談でもかまいませんので、一度ご来店頂けましたらと思います。尚、ビンテージ部品の在庫はございません。持ち込みにつきましては都度対応させて頂きます。
フレームからのオーダーって敷居が高そうですが、案外そうでもないですよ。